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コンピテンシー人事
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コンピテンシー人事 第1回
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できる人間しか入れない「コンピテンシー」人事
1-できる人間とは


 コンピテンシーとは「有能」な人物かどうか、そして会社で働いているのなら属している職階や職能、あるいは役職にふさわしい「才能の持ち主」であることを意味します。別な表現をすれば「できる社員」かどうかということです。


 確かに、それぞれの会社ごとに組織目標によって「できる人間」の定義はすこしずつ違いがあるとしても、しっかり売上を作れる人です。または、仲間や組織を活性化させることのできる人であるかなど、結局のところ会社にとって重要な人のことです。


 頭がよいことは問題解決能力が高いことだ、とコトバのもつマジックに騙されて知能検査や学力検査を重視する会社がまだ多数あるのは納得できます。でも、有名な大学をでた人が社会的に優秀であるかというと、そう簡単には言えないようです。社会的に貢献が大きかった人がすべて有名大学出身でないことは事実です。


 「頭のよさ」イコール「問題解決能力の高さ」とは、単純にはいかないのです。現実の課題を解決し、自分たちの生きている環境をよりよくするにはアタマだけでなく、行動力の有無や仲間の力をうまく結集させ組織をまとめあげていく力も必要です。


 頭がよいこととは、数学の解き方をみてわかるように「与えられた課題」がどうなっているか理解する力なのです。理解したあとで、その問題を手順に従って数式を解いていきます。理解さえすれば、あとは儀式なのです。いわば、問題をどう解けばいいか出題者の意図を把握する能力です。そのことと自分たちの「抱えている問題」を自ら工夫をし、うまく解決していく力とはおのずと異なります。


 では次に、人柄がよい人はどうでしょう。
 人に好かれるタイプだと、目的も生き方も違ういろいろな人々の意見をまとめあげ、かれらを一つに結集させていわば活力ある組織を作るのに向いています。


 さらには、みんなに好かれる人柄の人です。いろいろな人々の支援をうけられやすく、結局トクなことがわかります。ヘルプやアシストが得られると目標達成しやすいですから。でも人柄のいい人が必ずしも社会的成功者とは限りません。むしろ騙されやすかったり、お調子にのせられて思わぬ事件に巻き込まれたりしたことを私たちはずいぶん見聞きしました。


 いま、このように社会人として、あるいはビジネスマンとして成功しやすいことに関連性の高い2項目をまず説明しましたが、つまり「成功者の必要条件をもつ」からといって「成功者になる」とは限らないのです。

2-従来の採用試験


 これまでの採用試験は、社会的に成功しがちな人の要件をリストアップし、受験にくる応募者に尋ねていたのです。
 いわく、

A:あなたは人から好かれますか?
B:あなたは学校で成績が良かったですか?
C:何か困ったときに友達から支援がありますか?
D:あなたは明るい性格ですか?


 このように従来の心理検査が実社会で無力な原因、つまり入社後の社員の業績予測ができない原因は、性格や頭がよいと成功すると決めてかかっているのが失敗なのです。人から好かれたり問題(解決でなくて)理解の能力が高いことは、そうした人は成功しがちだと思い込んでいることです。関連性はたしかに高いものの、そうでなかった人は多数います。そうした先入観が、ホントウに仕事のできる人かどうかの判定を見えなくさせているからです。


 ダメな原因はさらにあります。それは純朴に質問に「はい」「いいえ」、あるいは「とても」「ふつう」「少し」といった間隔尺度で数値化しようとしているノドカサのせいです。
 仮に私が応募者で A-D のような質問をされたら、どう答えようかドギマギします。正直に答えるのも恥ずかしいし・・・。


 採否という重大な場面を決定づけるには、あまりに幼稚な方法がとられているのです。応募者は「必ず正直に答える」という前提はコワスギます。とりわけ最近いわれているコンピテンシーという言葉は「できる奴」という意味ですから、尋ねられても返事のしようがありません。


E:あなたはできる人間ですか?
 って聞くのですか。あるいは「仕事が好きですか」とか。悪い冗談のようですが、これはホント。
 バカバカしいが現実です。


3-できる人間の別な側面


 できる人間にはこんな人もいます。
 仲間を出し抜いてでも手柄にこだわる奴。目的のためにはウソも平気な奴。ちゃっかり人の苦労を盗んだり持ち去ったりして私腹を肥やすズルイ奴。つき合っている女(男)を利用してでもノシ上がりたがる恥知らず。脱税でもなんでも違法であろうが、ばれる奴がバカだと思い込んでいる輩。


 こうした人は今の日本には掃いて捨てるほどいます。蔵を立てたり大きな屋敷に住んでいる人に、とかく付いてまわる悪いウワサです。


 でも給料を払う立場の社長さんにしてみれば、「なんであろうが売れる社員が欲しい」はずで、よい人だと誉められても売上の立たない社員は不要でしょう。現に十年ほど前、住友銀行の名頭取といわれた磯田さんは「向こう傷は問わない」として預金獲得のできる行員、大型融資をまとめあげた行員を賞賛しました。当時のバブルのころは彼だけでなく、みなそんなことを大声でしゃべっていました。


 でも、いくら売上が立つからとか仕事ができるからといって、ここに書かれたような性格の人と一緒に仕事はしたくないのはホンネです。なんかイヤーな人たちだもの。
 しかしながら経営者にしてみれば、仕事ができないが性格のいい人や売上が伸びないが頭のいい人を社員にしたいかと尋ねられれば、明確にこう答えるはずです。「ウチにはできる社員がほしい」と。


 ならば、まずできる社員だけを採用し、そののち人柄による組み合わせを考えたり、頭のよい人や個性をもつ人には各自にふさわしい配置をしたらどうでしょう。これこそ究極の採用と配置計画です。
 デキソコナイともいえる従来型の心理検査で採用をするため、「性格のいい人」「出身学校のいい人」が主に採用されています。その採用された人が「できる人」かどうかは入社後になってしか判明しません。なんともお粗末なシステムです。


4-CHAID式(チェイド)「できる人間」判定


 われわれのCHAID式「できる人間」判定方法は、現実に売上を伸ばしている社員はだれか、または上司や経営者から賞賛を与えられている社員・行員・従業員がなにをしているかを判定します。彼らの発言、行動のしかた、どう相手と取り組んでいるかといった事柄を分析し、デキル・デキナイの判定をします。


 社員を「できる組」と「できない組」とに大きく分岐させ、両者はどこがどう違うか、行動・発言・思考などを重点的に分析します。
 そうしてまずわが社の「できる社員」のしていること、取られている考え方をまとめていきます。


 できる人間だけが知らず知らずのうちに身につけている考え方というものを形にしていき、目にみえるようにするのです。


 知らず知らず身についていることのひとつ、例えば考え方は「暗黙知」といいます。本人も含め周囲の人たちはには、なぜだか明確には判らないものの、成功した人には必ずそなわっている、「ナルホドな」といわせるものです。
 このことに気づかないでいるために、いまだ「できない」組にいる社員たちに覚醒させることができたらどうでしょう。


 なんとなく雰囲気のようなものだったことが形になって、これが「できる・できない」を分けるものだと気づくことができたら、彼らの何人かは「なーんだ」と言うかも知れません。これを「形式知」といいます。できる社員の、なんとなく持っている「すごさ」を、なるべく多くの社員に普及させ、わが社の当然の武器にできたら、わが社のレベルが一段アップするのです。


 これが組織活性化研究所(ICAS)の提案する「コンピテンシー」です。


 ICASは日本語を処理し、意味をとらえながら発言(記述)者がどんなことを伝えようとしたか測定する特許を所有しています。

5-虚偽に強い


 これまでの心理検査(テスト)は、尋ねたいことがら(設問)を提示して、それらに反応したかどうかを調べる、じつに幼稚なものでした。単にカウントするだけなのです。そのため、まず虚偽に弱い。まるで無防備なのです。


 従来テストのなかで、そうした虚偽への対策が施されていたのは少なく、ほとんどが応募者の本人申告どおりにカウントしていて、そのためどんな人物にでも「その場で」希望する人間に変身できてしまいました。合格者になろうと思えば、要領のいい人はすぐに合格者のフリをし始めます。
 どう答えれば期待にかなうのだろうか、と。


 その点、文章を書かせる作業式検査では、頭のなかで変身したり適当に答をしたりというゴマカシがききません。作業式検査が目録式(*)といわれる通常の心理検査より優れているのはこのためです。


 しかし、作業式だときわめて時間がかかっていました。そして観測者の専門性が高くもとめられ、なかなか人材採用ということでは普及しなかったのです。カウンセラーが応募者一人ずつの行動を数日かけて観察することなんか不可能でしたから。


 精神病者など人間の心の奥底を調べるにはロールシャッハ(蝶の羽のような図から話を構成させる)とかTAT(絵をみてストーリーを作る)、文章完成法(文を完成する)、箱庭療法(好きにガーデニングさせる)、絵画法(好きに絵を描く)だとかがあり、いまも信憑性がきわめて高いものです。でも読解できる専門家は国内に数人しかいません。



 それで大量処理できる「はい」「いいえ」などの目録式検査がしかたなく、使われているのが実情です。作業式は精密でウソが付けないものの、読解しづらいという難点がありました。
 ところが文章記述式だと、意外に簡単にこれがクリアーできました。30の文章の先頭語や末尾語だけを提示し、その前後をじぶんで自由に文章で埋めていく作業をしてもらうのです。

6-採用のためのコンピテンシー測定


 この文章解読技術をつかうと、書きこまれた応募者のそれぞれの文章が、意味のとおる形でキーワード化されていきます。各人の個性的な表現が手掴みできるのです。また表現の仕方が、どんなキーワードと併用しているかということから、当人の暮らしぶりの半生が実によく判るのです。また「文は人なり」と言われるように、その人の知性や教養、生き方の志向性までもが滲みでてきます。


 非常に効果的な測定法といえます。


 これにパーソナリティ特性などをサイド情報として押さえておけば、これまでの先輩たちとの比較も可能です。情報量が格段に増えて、質的にも大幅アップする定性情報で人材を「人財」に換えることが可能になったのです。

7-既存社員のためのコンピテンシー


 すでに入社している既存社員たちには業務日報で十分です。
 毎日の日報を、わたしたちの特許である文章解読技術で分析するだけで、わが社の社員たちが何をしていて、どう仕事に取り組み、課題にはどう対応しているかがすぐに判明します。そこに売上高や勤務評定といった本人の業績をくっつけると、たちどころに「できる社員」と「ダメ社員」とが区別されます。


 誰と誰はまったく業績が上がっていないこと、それはどんな行動や考え方、顧客や取引先にたいして対応をしているのか、瞬時に判明します。


 なぜアイツは売れないのか、なぜ契約がとれないのか。
 アイツはどうして売上が高いのか、お客様から引き立てられるのか。


 こうした疑問についてアッという間に解答が得られます。

 こうした夢のような人事が可能になったのはNASAの宇宙航空技術でした。

8-分岐分析


 ヴェトナム戦争による社会経済の退廃と疲弊のために、アメリカは80年代に宇宙開発プロジェクトを縮小しました。それにともなって、NASAから大量の数学や物理の科学者たちがウォール街に流れ込みました。


 彼らが開発した金融商品が、そののちアジア経済を崩壊させた恐怖のデリバティブでした。危険なホットマネーを生みだし、金融的に脆弱な国々を攻撃しました。わが国でも富士銀行などが被害にあい、韓国やタイ、インドネシアでは国家破滅の危機にまでおいやった、アレです。


 そのときの副産品のような計算法が、このCHAIDといわれる分岐判定です。わが社の商品を買ってくれているロイヤルな顧客はどこにいて、何をしているか、次に彼らはどんな商品を欲しがっているか。
 そんなことを分析してくれます。


 「オムツの隣でビールが売れる」という法則を発見したのも、このCHAIDでした。世界最大のスーパーマーケットのウォルマートはデータを実によく分析し、その地域の消費者にもっともふさわしい商品を、「欲しい時」に「欲しい物」を「欲しい人」にを徹底しています。その点、日本はまだまだです。


 銀行でもシティバンクは、すでにこの分析法を導入し、返済不能な人は誰か即座に結果をだします。国内の銀行はまだまだです。三井住友銀行が最近チョコットですが始めました。サラ金に奪われてばかりいた小口融資を若者などに広げたりして新規顧客を発掘しようとしています。先入観で人を値踏みするのでなく、誰に貸したら返してくれるか返せないかと、融資を「科学」しだしたのです。


 この計算方法はたいへん鋭い分析ですが、ファジーな存在を許しません。のらりくらりルーズな社員や、頭はいいけど仕事ができない人間など会社に寄生していたオジャマ虫を浮き彫りにします。誰がいちばん稼いで、反対に誰々が怠けているか。うちの働き者はこの1ヶ月間、なにをしてきたのか。怠け者に対して、人事はどう教育すればいいのか。それで向上しなかったときはどうすればいいのか、こんなことをキチンと簡単に教えてくれます。


 もはや、ズルズルと勝手な自己申告制のもと、「オレは頑張っていると思う」とか「オレは飲み会につき合っている」というような甘えは許されません。努力している人は誰で、どこの顧客にどんな提案をしているか、すぐに判明するからです。

 全く新しい、ゴマカシのきかない科学的な人事制度です。新人の採用と既存社員の啓発、教育、公平な評価がかんたんにできるようになります。

脚注
*目録式(Inventory)

回答する応募者の個々人に、セットになった設問をみせ、それぞれ YES ・ NO や 1,2,3 などで答えること。
人に個性があることを認めない。
一律に得点化して「あなたは○○傾向が5点、××傾向が3点」等と機械的に処理する。
食肉畜産処理の工程に似ている。リクルート SPI 、ダイヤモンド社の DPI 、ミネソタ大学の MMPI (みんな古い!)などが知られているが、旧式。

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