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かんたんなようですが、人々が共通の認識をもつことは意外と難しいのです。それで社会的に アチコチでトラブルが起きています。
これを理解し、「アーそうなんだ」と相手の立場にたって考えるクセができると、あなたは社会心理学 から一歩進んで、文化理解者となります。
たとえ話をします。待ち合わせている二人がいたとします。
一人が遅刻してやってきたとき、相手にいう「言い訳」は調査してみましたが、だいたいコウです。
バス(電車)が遅れた。 |
渋滞で、道がこんでて。 |
目覚まし時計がさいきん調子悪くて。 |
ママが起こしてくれなかった。 |
このように自分のせいで遅れたのでなく、むろん相手のせいでもなく、第三者のせいにします。
これを原因の無罰化といいます。
なかには相手の責任にすりかえる、どこかのサッチーとかいう無責任なオバサンがいました。
どうしてこんな場所(時間)にしたのよう。 |
あんたの方が、私の家にこれからは来なさい。 |
ムチャクチャなことを言い放つ輩もいますが、これは他罰化といいます。このごろの日本は このパターンが増えてきました。何でも人のせいにするのです。
ところが待たされた方の、いわば被害者はこのように聞いています。
「お前さんは時間にルーズなんだ」 |
「これからは会うのも気をつけないと」 |
「もう付き合わないようにしよう」 |
相手の人間的な本質に原因があると決めつけていきます。
一つの同一の現象、遅刻して「待たせた」「待たされた」ということを正反対に原因づけるのは、二人のおかれた利害関係のせいです。
このようなことがビジネス場面では日常茶飯に行われています。
お客さんがX社の商品を買ってくれました。ところが、たまたま不具合があってクレームの電話をしたとしましょう。
お客が「うまく作動しない」とか「思っていたものと違う」とか、いろいろ発言して改善を要求しました。
しかし、X社の方は使い方がマズイのでないかとか、無理難題をいってイチャモンをつけているのでは ないかとか、返品にはかんたんに応じないゾとばかり、要するにあれこれ言い訳します。
結果、X社はせっかくの顧客を失っていきます。一時は気に入ってくれ、だから買ってくれたお客とモメて、敵にしたのです。
この「元顧客」で、新しく敵になった人は実に恐ろしい。
あちこちで感情のはけ口をさがし、X社が顧客獲得のためにするCMをはるかに上回る説得力で、X社の逆宣伝をします。
ここで必要なのは、その顧客がわが社の商品で何をしようとしていたのか、どんなことができたら満足がいただけたのか聞き出すことだったのです。似たような苦情を二度と起こさないために。
ビジネス場面では金銭が介在しますから、ぶつかりあいは時には感情的になりがちです。遅刻してきた二人のケースより激しくなります。かつてお客様の対応をまちがえて社会的な事件になった会社がいくつかありました。
顧客の側はまちがっても会社の立場にたって考えてくれませんから、X社の方が相手の気持ちを 理解しなければいけません。
で、会社側にこそ顧客の考え方を学ぶ必要があるのです。
この考え方「お客様の立場で考える」ことをIsomorphic Attributionといいます。
イリノイ大学のトリアンディス博士の提唱した考え方で、日本で現実的かつ理論的にきちんと実践できるのは我々くらいではないでしょうか。文章解読技術をもってますから。
それはサンフランシスコ大学元学長のハヤカワ博士の「一般意味論(セマンティクス)」を背景にもっているからです。氏の『思考と行動における言語』は名著であり、そのエッセンスを「日本語セマンティクス」として我々は推進しています。
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