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ほんとうに使えるコンピテンシー人事が完成しました。 アメリカで流行っていると話題になり、国内でも数社が採用してみようとしましたが日本の風土では「使えない」というのが、実際の評価でした。その原因は簡単です。コンピテンシーのことを、できる優秀な社員のモノマネをすることと誤解していた日本人の、なんというか人材育成に携わっていた人たちの無知が原因の1つでもあります。 彼らは短絡的に、コンピテンシーのことを、社員みんなを「できる実力社員のマネをすること」と勘違いしています。人材育成とか採用とかを業務に標榜している訓練屋さん・リクルート屋さんの文章をみても、見事なまでに誤解していることが分かります。社員をすべてスーパーマンにすることだ、と堂々言いきっている間抜けな会社も少なからずありました。不勉強ですね。 もう1つの大きな原因は別コラムで触れますが、日本の心理検査とか入社試験とかは、まったく科学的妥当性をもっていないデタラメ検査だったことが原因です。回答者を特性によって因子にまとめきれない検査なんて笑い話です。ですから、優秀な社員もへったくれもなく、売上の出ている社員の「ヒソミを倣う〔ならう〕」冗談のようなことをしていたのです。「アイツは売上が多いから、喫煙もマージャンも○○もすべて模倣しろっ」て。必要ないことまで真似するバカを、ヒソミを倣うといいますが、まさしくソレでした。 みんなが同じ行動をして、似たような思考方法をとり、それで業績が全員で上がるなんて断じてありません。 仮にそんなことが可能だったとしたら、いま取り扱っている商品が改善されたり機能進化したり、あるいはライバル社が新商品をだしたりして市場環境がかわったとき、それまで得意なはずだったビジネスモデルが、もはや通用しなくなります。 アフリカ諸国の中には、まだまだ不治の病と恐れられているエイズ罹患率が高くて、国民がいなくなる恐怖が現実味を帯びている国もあります。ある部族では村の全成人女性がエイズにかかり、その大半が亡くなりました。しかし、わずかに数人が生き残りました。世界保健機構(WHO)は、この不思議な現象に注目しました。 なぜ数人はエイズから治ったのか、その答はDNAにありました。生命は、思いもよらない伝染病の発生や、生きている環境の突然の激変にそなえて個体の塩基配列を組み替えてきました。「性」のもつバリエーション効果です。エイズから無事生還した数人の女性には免疫によってエイズウイルスを駆逐できる能力があったのです。 これが個性です。 せっかくの素晴らしい才能であり、種が連綿と築いてきた恵みの「個性」を潰し、みんなが没個性的な社員になれなんて、明らかに時代に逆行しています。いま私たちがしなくてならないのは、個性を生かして社員一人一人のよさを発揮することなのです。社員全員が金太郎アメのように同じ顔をもち、似たような行動をしろというのは、アメリカのコンピテンシーモデルを原文で読んだことのない人が唱えている、意味もないタワゴトだったのです。 これからの人材育成は、社員一人一人の優れた才能をさらに伸ばしていき、まだうまく行ってない部分については補強し有効な訓練を積み上げていく、という基本スタイルになっていきます。その補強のときに非常に参考になるのが、似たような境遇にあり苦難を克服してきた先輩諸氏の経験です。 先輩たちが乗り越えてきた環境適応の貴重なノウハウを明文化しておき、いくつかのパターに分類していくことが、これからの日本企業に必要なナレッジ構築作業になります。私たちは先人たちの歴史上の豊かな経験を、単に知識として個々のレベルでは知ってはいますが、それらを統合させて共有の財産にまでシステム化できていません。 暗黙知のままなのです。もったいない。ですから先輩の行動、同僚の成功・失敗をみても「ま、そんなもんだ」で当たり前のように眺めていました。気づかないのです。当人の中では「常識」でしかないから、他人の行動がお手本に見えず、見過ごしています。 私たちは画期的なコンピテンシーモデルを開発しました。これは、広告関係でその名を知らない人はいないほどの大企業会社○○様から依頼されて開発したモデルです。社員たちがどのような場面で、どんな提案をしたりライバルと戦ったり、そして勝ったり、あるいは苦戦したりしているようすが、人事部と上司がリアルに理解できます。 そして成功している同期や先輩諸氏の行動モデルに対して、キミはココがもう少し足らない、ココはうまく機能していたと判定が出来ます。助言も具体的にできるようになりました。ただただ「頑張れ」ではどうしていいかわからない当人が、なるほどと合点がいきます。 このコンピテンシーのためには、本人の「当期の目標」と「前期の総括」についての記述が必要です。上司と互いに取り決めた「課題1」については、どのように取り組んだか、そして結果はどうだったか。 会社は、社員のやる気とそして実際に流した汗の量は確かに大切に見ます。しかし、上司に忠実なだけの行動や、単に走り回って汗をかいたというのでは異質なものです。たんに汗をかいただけでは評価にはつながりません。大事なのことは「いくら貢献したか」という具体的な成果なのです。 現在の定量アンケートでは、日進月歩の市場の変化の様子をくみ取れません。するとしかたないので、ある程度網羅している尋ねかたのフォームになり、社員は慣れてしまいます。 - 「あなたは今期はがんばりましたか・・1--2--3--4--5
- 「売上げは伸びましたか」・・・・・・・・・・1--2--3--4--5
- 「部下の育成をしましたか」・・・・・・・・・1--2--3--4--5
のようなマヌケな設問に堕してしまうのです。 確かに「売上が伸びたか」の設問は、普遍性があるように一見思えます。しかし、売上も伸びたけどコストも増えたとか、「伸び」という表現にも「この経済環境の中では伸びたほうだ」なのか、「社平均より伸びたのか」ニュアンスは違います。それぞれにアンケートの文面を増やしていくと、今度はアンケートがグチャグチャになります。 これを根本から改善するには、当人に今年の頑張りの様子を文章にしてもらうのが一番です。文章能力のない社員のおおい会社なら、話しはココまでです。たとえば部下の育成についても、どのようにして、どんな具合にすすめ、結果どんなようになったか、当人の記述を貰うのです。文章ならば、主観的な判定はできません。上司に読まれます。部下も読みます。 部下の育成をしましたか、の設問に5点と大甘に採点をつけた当人は、自分では何をもって育成したと思うかの客観的な判定基準がないからです。だから「新橋のガード下で縄のれんに2回連れていったナァ」と思いだして自分に高い評価の5点にしたかも知れません。 ところが全社員こぞっての部下の育成についての本人陳述をテキストマイニングすると、わが社社員のとっている育成方法の実情が浮き彫りにされます。うまく実行している人はコウやっていて、やっぱりダメな社員はこんなことでごまかしているのか、ピタリ出てきます。 取り引きしているお得意様との交渉でも、デキル社員の行動とそうでない社員の行動とでは天と地ほどの差があることが実感出来ます。すばらしいコンピテンシーモデルが完成しました。あなたの会社でも使ってみませんか。
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