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2002.01.02 「コトバは意味」

 このあいだ特定保健食品(特保)の市場性について調査を依頼されました。巨人の長島前カントクが飲んでいるアミールSとかの、健康保持目的の食品や飲料を総称した厚労省認可の商品群です。
 わたしたちは生活の不摂生が原因で、けっこう健康問題には悩みを抱えているものです。今後さらに伸びるマーケットであることは間違いありません。しかし、この調査から意外な事実というかテキストマイニングの課題というものが見えてきました。
 それはコトバの出現頻度から分析しようという、つたない方法論の問題でした。
 12,000名が回答した特保についての感想の自由記述文を解読した結果、いちばん多くカウントされたコトバは「使用したい」でした。「なんだ、今時の生活者は健康保持が大事な願いなんだ」、そう思ったのです。ところが、採取された他のコトバ群との同時使用率や使用目的ごとの頻度などで、さらに詳細に分析をしたところ、彼らは特保にまだ拒絶反応していたのでした。

・本当に効果があるのか?
・いい加減、デタラメなもの
・マルチ商法
・クスリ臭い etc。

 採取されたコトバの15%というトップの出現率だった「使用したい」は、実のところ生活者たちが抱いている不信感(どうせ効きやしないのに売らんかな根性で誇大広告をしているコト)の除去があってこその発言でした。つまり、ちゃんと効果の確認が出たら「使用したい」とか、副作用がないとわかったらいつか「使用したい」とか、不安感を拭えることが先行条件にあったのです。
 ところが、現在のテキストマイニングと呼称している技術では、ここまでは発見できません。「使用したい」というコトバが最多カウントだった、とそんなソフトを販売している会社なら相手さんに、さっそく馳せ参じてヨイショしたところでしょう。 恐いですね。事実を発見できず、誤解を与えるソフトがあるなんて。

 むかしのことです。杉山登志というCMクリエータがいました。今はもう生きていません。そのころ彼が打ち出すコトバは力強く、時代を語っていました。もっといえば時代を作り、次の時代の息吹を伝え予言するような、どこかブッ飛んだ人物でした。 彼が、たとえば原宿とか新宿とか、道を歩いていて感じたヒラメキは、そのままCMキャッチとして数十日後にテレビから流れていたのです。社会や風俗、あるいは庶民の生活ぶりから何かを嗅ぎ取る天才だったのです。

 そんなトンガッた人材はもうこの世にいません。いまテレビCMを「こしらえ」たり、ツギハギしながら「みつくろって」いたりする連中には、そんなトンガッた人材はいません。プアーな感性、それが結論です。 ちょっと前、ある広告関係会社の人事分析をしました。水膨れをした組織を生き返らせるにはどうしたらいいか、という目的だったと思います。そこで語られていた発言は、けっこう貧相な話ばかりでした。クリエイティブな、オッと思わせるコトバなんぞヒトカケラも見あたりませんでした。みんな精神的にまいっているんだ。ツライんだと分析していて実感しました。

 ある瞬間に、今いるところから別な時空間を設定し、別な生活、異種な生き方を夢見させるイメージを伝達する余裕など、もう日本人にはないのでしょうか。寂しいですね。私は待っています、 「二十一世紀の杉山登志」の登場を。
 それにつけても寂しいのは、コトノハ(言葉)信仰をもち、繊細で緻密な言語手段をもっていた私たち日本人が、けっこうコトバを大事にしない現実に驚いています。

 特保商品を「使用したい」がいちばん多かったコトバですゥ、と製薬メーカーや食品会社に駆け込んだワープロソフト会社や広告代理店の社員は、事実さえ把握できなかったのですから。いや、これはホントなんです。 ○○総研とかが売っているテキストマイニングのソフトで分析したが、何にも発見できなかったと再度、私たちに持ち込まれるケースが多いのです。その再分析の結果、逆転した内容になるのは毎度のこと、あんまり酷い薄っぺらな分析もどきから、一気に真実を発見することだらけ。 日本人は日本語をもっと大事にしようよ。

 でね、私たちはまったく別な角度から発言を解読しようとしているのです。発言というより、喋った本人の伝えたかったメッセージは何かという分析手法を発明しました。
 CRMとは、顧客と商品を提供した企業とが、できれば長く良好な関係を続けたいと願うことであり、それを推進する技法とかインスツルメントあるいはインフラのことです。最近、CRMに関する用語が増え、語られる機会も多くなりましたが、まだコレッという解析技法を開発したところはありません。ワープロ各社が提供したいるテキストマイニングのソフトはまだオモチャ水準です。インフラは、逆に満ち足りています。ハード先行なのはいつもですが。
 そんな中、私たちはお客様の声を解読し、彼らが何を発信したかったか、伝えたかったメッセージは何だったかを精密に読み取る技術を開発しました。その発想は、ワープロ屋さんと正反対でした。サンフランシスコ大学の元学長だったハヤカワ博士(Y.S.Hayakawa)の考案した『意味論』を利用した考えです。コトバにはメッセージがあり、その手法のひとつが会話であり、文章作成であるという基本にたち帰ったのです。





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