売上げ予測もできる、ホンモノのコンピテンシーができました。 ある健康器具を販売しているA社では、いろいろなタイプのセールスマンを採用していました。男性も女性も、老いも若きも採用し、どんな性格や考え方の人が、どんな成績をあげているか調べてくれと、データを持ち込んできました。心理検査はわが社のものを使いました。リクルート社のも、ある程度の精緻さは担保されていますが、他社の心理検査は因子得点があいまいで分析にはちょっと使えません。 するとA社では8因子の行動特性が発見されました。積極的な人、行動的な人、物静かだけど丁寧な応対のできる人などです。そうした因子得点の高低と売上高の関係をY=aX1+bX2+・・・一定数として数量化のモデル式を作成しました。するとピタリと説明式が出来上がりました。 その会社で優秀な社員はこんな行動をしていて、あんな行動はせず、そんな思考はしないとかの、実にきれいなコンピテンス・行動様式が発見されたのです。詳細は近々、新刊本として出版されますから、そのときに読んでみてください。 従来、人事関係者たちが待望していて果たせなかった本物のコンピテンシー・モデルは、統計学で完成・発見されました。数字の苦手な人事関係者には難しいかもしれませんが、オッ、おもしろいなと思われた方には説明いたします。実に簡単なことですが、売上高や評価点という数字を左辺にYとして配置し、それに関連性の高い要素を見つけ出すという数量化式が必要だったのです。 できない人、つまり売上げのあがらない人には特徴的な行動特性がありました。逆に、優秀な人には、なるほどね、というような特徴も見つかりました。 A社では、そこで成績がまだ芳しくない社員にはどうしたら育成できるか、きわめて明示的なものになりました。別な会社のさる広告会社では、部下の育成指導に使用しています。これまで、こうしたきれいな因果関係がなかったころは、ただただ頑張れ、みんな努力しているんだと精神論だけだった上司にも、どうしたらいいのか明らかにされたのです。 これこそがコンピテンシー・モデルです。 誰もが知っているような超大手の○○様は、上司が部下に与えた評価点と、その説明文章とを同時に分析することで、点数の高低と発言記述の関連までがクリアーに出ました。テキストマイニングとデータマイニングとをあわせた分析モデルです。 上司が部下をどのように見ていて、どう判定していて、結果的にどんな評価を与えたかが、スッキリと数学的に描けました。そのため、情実で点をつけていた人も逆に明瞭にされ、部下への評価能力がないと判断されてしまいました。つまり、自分の能力のなさにつながるのですから、もうイイカゲンな評価点をつけられません。 同社とは、この手法を特許にすることにしました。
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