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2005.09.26 「チームと組織力」

スポーツでは、強いチームは戦う集団としての組織がしっかりしている。元気のいい会社も、利益創出のための組織がきちんとできていて、かつ機能している。

 ラグビーの神戸製鋼がいま、かつての生彩をなくし、苦悩にあえいでいる。技術的には選手各自のレベルはとても高いが、では、なぜ勝てないのかとの組織論が取りざたされている。

組織はそもそも何のために作られたかといえば、目的達成に有効だからである。個人で果たせる目標にはおのずと限界がある。しかし、一人でできないことでも「皆で力をあわせれば」可能なことが多いことを、私たちは日常的に経験している。一人一人の力は弱くても、みんなで協力すれば、なんとか叶うというものだ。

戦う集団といえば軍隊がその典型だが、上下関係や命令系統の維持を重視してしまうとしだいにピラミッド型になり、早晩、そんな形だけの軍隊は敗れてしまう。官僚機構もピラミッド型をとり、肥大化するだけが目的になる。そして改革をさまたげる存在に堕していく。スポーツの組織はチームとしての人数制限をもち、こうした形態論から開始するのは無意味でしかない。しかし、スポーツの組織論議で、まだ形態論をしている人々がいるが、ヒマだなあと思ってしまう。

ラグビーには形態として大きく2つに分かれる。スクラムを組んで相手チームとぶつかり、ボールを奪い合うフォワードと、その奪い取ったボールを敵陣に持ち込み得点にしていくバックスがある。その両者(フォワードとバックス)をうまく接合する機能としてスタンドオフなどハーフ団という重要な役割もでてくる。

このことからフォワードは工場で生産を、バックスが営業部隊で販売をになう。ハーフ団は両者をつなぐ指揮塔または情報や物流を効率よくおこなう部署、つまりロジスティックや判断の中枢とみなす考えの人々がいた。この程度の話をして、スポーツと組織論を得々として語るおめでたい学者もどきは多数いる。サッカーに置き換えると生産が中盤で、販売がフォワード、バックスが情報インフラや守備ということになるが、はたしてそんな硬直した頭で、試合に勝てるだろうか。ある部署は役割が固定されているのだろうか。いいえ。

組織論で「役割=role」をどういうか英語の辞書で引いてみると、メンバーに対し期待された職務・任務の一連のセットであるとされている。セットであれば場によって期待も異なり、相手によってすべき職務内容は変化するが、それでも思いもしなかった職務とはならない。それは確率論でいうと職務遂行の能力とリンクしているからだ。守衛の人に社長は勤まらないだろうが、万が一の時や急場では、彼なりの判断を社員としてとらなければならない。つまり、攻めたり守ったり、一瞬ごとに状況が変化するスポーツや企業経営において、役割は固定的でなく、その都度に応じたポジションごとの役割が求められるというわけだ。

役割は組織のなかでフォーマルに形としてあるだけでなく、イメージとして形成していくものと二つがあってメンバーに職務遂行をうながしている。役割は個人に限定してあるものでなく、メンバーが状況に則して互いに作るもの(role making)なのだ。

ラインアウトやスクラム、キックオフといったセットプレーのときの役割は明瞭で見えやすい。しかし、互いに選手が入り乱れてボールを奪い合うとき、自らの役割はたちどころに変化する。イメージであるため形をもたない見えにくい役割もあり、それは各自の判断でしかない。その判断のされかたが適切だと、チームの仲間は「いい仕事をしている」と感じる。いい仕事をする選手のところに自然とボールが集まりがちになり、彼はキーマンとして認知されるようになる。

かつての神戸製鋼ラグビーチーム(Steelers)には、こうした中核選手が何人もいて、ジャパンの代表選手にも大勢選ばれていた。そこには「チームで」という意識の前に、各自がいだく個人の役割知覚が正しくされているために、互いがいい仕事をしていると映っていた。組織を語る以前に、個人が優秀だったのだ。何をすべきかを自ら理解しているので、フィジカルトレーニングでも率先して合理的にできていた。士気は高く、やる気も旺盛、スティーラーズの選手には、他チーム選手をして「オーラがある」と感じさせたものだ。

組織論を述べるときに、次に触れなければならない最重要項目は、メンバーのやる気、動機付けになる。ジャパン代表選手クラスがぞろぞろいるチームでは、もはや動機付けも不要と思えるが、さらに上のレベルへのチャレンジではこの点も大事になってくる。世界との戦い、テストマッチではジャパンは何をすべきで、どう戦うと勝てるのかといったことには欠かせない。また、組織論にはほかに戦術を構成する重要な要素、つまり戦力論としてのシグマ(和)の見方と、掛け算に転じるための機能検討もしなくてはならない。紙面が尽きたので、それらは次にまわしたい。

ガンバレ、神戸製鋼ラグビー部。



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