テキストマイニングがさらに進化しました。 統計学を活用してメッセージ解読、つまり概念抽出ができる段階にまで到達しました。係り受けとかの単純なコトバ遊びのレベルや、ニューロといったあいまい表現は、もう過去の遺物になったのです。

お客様が書いてくれた大量の文章を、きちんと意味内容に分解し、クリアーな日本語に直してくれる水準になったのが、およそ3年前。ちょうど六本木ヒルズに越してきたときでした。数万人の発言が因子分析によって、わかりやすい数十個の短文にしてくれます。即座に、顧客が何を言いたかったか把握できます。あれはホンダ様との共同特許になりました。

次にオリエンタルランド様と進めたのが「鞍点」という、数学を応用したテキストマイニングです。重大な関連語を発見するのに役立ちました。希少な意見でも、大事な見逃せない意見はしばしばあります。意味のある「熟語」をらくらくと探せるようになり、おおぜいの来園客たちの熱い思いを大切に受け止め、よりよいリゾート作りにいま用いられています。

そしてさらに技術が進歩しました。他社がいまだに係り受けとかの2語関係（幼い技術）に躍起になったり、ツリーを作って○○と発言した人たちから次に来る関連語を探したりして、どんどん迷路に入っているときに、私たちは超ハイテクなテキストマイニングを手にしました。

文章から、顧客が言いたかったことを概念（コンセプト）に集約し、簡単にどういうコトが伝えたかったことか、と明確にできるようになりました。鍵となる第一主張と、それが引き出してくる第二の主張、それらが連合（united）して次に導き出す新しい「知」の発見。こんな夢のようなことが可能な技術です。

コンセプトマイニングの時代になりました。知の創造、知の啓発、知の触発がわたしたちでハンドリングできるかもしれない。お客様の声から、問題の本質が見える!

ユーザーが感じている要望。国民が抱いている政府への意見、世論。それらをテキスト文章にして、このシンシパル君に流し込むと、わが社の問題点やユーザーの要望などがきれいなフィッシュボーンのように整列されて描かれます。

ある食品メーカー様にさっそく応用してみました。定番の食品（お弁当みたいなことを想定してください）を、どうしたらもっと良くなると思うか尋ねてみました。概念抽出したところ、次のようになりました。

「今のままで十分に美味しい」主張がまずまとめられました。3割います。次に、「あれこれ工夫するとよい」という発言が、食感のことや価格、有機食品に徹して安心安全を言う人たちなどに複数に分かれました。残り7割の意見です。

大きくは２群に分類できます。「現状満足派」と「工夫改善派」です。

これだけでも、商品開発の担当者には助かるヒントですが、さらに、ここに登場した概念グループの連関関係を描いてくれます。

これ以上書くと、技術漏洩になるので止めますが、テキストマイニングからコンセプトマイニングの新時代になったことをお伝えします。夏休み、ゆったりした時間が与えてくれた新技術です。

ある単語を打ち込んだら、それに類似度の高いと思われる「全文検索」ができるとかのテキストマイニングや、関連した語を含むファイルが社内から引っ張れるとかのナレッジマイニングを超えてしまいました。概念と概念が組み合わされ、新しい上位概念を形成したり、もっと普遍的な意味カテゴリーを作ったりします。つまり概念レベルでの般化と弁別がてぎるのです。知能とは知識の般化と弁別であるといわれ、やっとホンモノのテキストマイニングが現実のものとなりました。

関連サイト　→　ICAS　『ATMOS-F』