日本時間の早朝6時にわかるニューヨーク市場の売買結果を取り込み、弊社が作成した予測関数に入れると3時間後(9時)にあく東証の日経平均が誤差も小さく当てることができる。だいたい平均して重相関係数でR=0.996、課題説明率のR2=0.989という素晴らしい精度だ。 誤差幅は、日経平均で上下幅100円程度。野村證券、松下電器などの2〜4000円台の銘柄株で誤差50円程度になっている。日本水産など低位株だと20円も外さない。 ここまで精密な予測関数ができたことは何度か紹介した。それで販売計画や生産計画に用いたいと希望される企業にいわれ、そうした経営データにも用いている。まったく問題なく販売や需要予測をピタリと打ち出してきている。 それで東京のマーケットが閉まったあと、アジアやロンドンの株式市場の結果を打ち込んでみた。ロンドンFT100やハンセン指数の終値と出来高など、ごく簡単なものだけにしたが、それがなんと翌朝のニューヨークを言い当てているのだ。いやー驚いた。 イラク情勢など、地政学的な特段の変化がないばあい(平常な日々のほうが多いが)、東京→アジア→ロンドン→ニューヨークという情報と資金の流れは地球規模で動いていることに気づかされた。資金の中枢といわれるニューヨークのマーケットさえも事前に正しく推計が可能になった。相関係数は東京と同じくR=0.994という超のつくレベル。 それならばとシカゴの日経先物も予測してみた。商品先物という性格がらか、売買には思惑が優先するためだろうか、こちらは幾分誤差が広がったが、それでもR=0.993という高い水準を維持できた。それから意外な発見は、日経平均の先物という商品なのに、この先行する価格は当日の日経平均をあまり予測できていないことだ。R=0.937にしかならない。 株の専門家たちが、アーでもないコーでもないと計算した結果は、当日の日経平均をあまり正しく反映していない。R=0.937ということは、課題説明率というR2=0.877となり、88パーセントしか説明できないということで、信頼性が急降下する。駆け引きだから細かいことをいわないのでいいのだろうが、不思議なことだ。予測ができない株式専門家がいるとは。 地球をグローバルに情報収集していくと、株式や債権、商品にこめられた関係者たちの思いがヒシヒシと伝わってくる。より有利な情報、よりよい立場の確保にたちたいという気持ちのあらわれなのだろう。 そして面白い発見は、そうした流れの途中で、アレ、なんだかダウ工業株が「高すぎるゾ」と気づいた。これまで2度チャレンジして2度とも跳ね返されてきた11700ドルの壁がよくいわれるが、今度はどうなんだろうと検算してみた。すると、まだまだ高くなると判定された。 こうした異様な株高とか株安は東京にも、ときどき見られる。用心しながら見ていると、次の株価崩壊や急上昇のタイミングが次第に感じられるのではと期待している。
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