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2007.06.23 「街の特徴とは(立地条件)」

 だいぶ前、日本の地図情報をもつある会社から、知り合いの統計会社を通して、地図を科学したいが指導してほしいとの依頼があった。10年前のことだ。

 簡単に説明すると、5年ごとに実施される国勢調査は国民の住所と職業、そこから導かれる人口密度や労働力の偏在の様子などは、文字通りわが国のパワーを数値化している。それに7年おきの全国商業統計を加えると、日本という国の生活ぶり、底力、明日のあり方などが如実に描かれてくる。ただし、ちゃんとした多変量統計ができてのことだが。あのときは全国をクラスター分析するなどして、各地域のもつ特徴を描き出そうとした。

 もうすっかり忘れていたら、最近また新しいデータがきた。そうか国勢調査が新しいものに代わったからな。チェーン店を経営するところには「喉から手が出る」程おいしい情報だ。
 全国の市町村を1丁目、2丁目といった「町丁目(ちょうちょうもく)」で細かく分類すると、46万箇所にもなる。町村会議員などの選出が地域別にされる、最小の地域社会区分、かつ最大の地域弁別区分といえる。
 それを優秀なスペックをもつコンピュータで区分けしてみた。職業、業態、規模、人口などの数値をもちいて「町を個性化」することと「町を共通化」してみたわけだ。するとホォ、全国の市町村は27に分割されるとわかった。
 元気のいい町、元気のない町。港町、職人町、官庁街。農村、山村、商業集積地、にぎわう街など、いろいろな個性が27に区分された。私の生まれ育った九州の田舎をみてみると、それは大分県国東市と今はいうらしいが、確かにかつての町の様子が数量化されていた。
 国東市。そう、名前は今のように大きな旧町名に併呑されたような形になってはいるが、ホントは小さくとも元気のいい旧武蔵町や旧安岐町に救われたに過ぎない。皮肉な話だ。この春の「平成の大町村合併」でできた国東市は、振り返れば以前は反対した空港がヨソの町にできて、若者が移住し、商業の栄えるそのヨソの2町に助けてもらったわけだ。面積がだだっ広くて産業のなかった旧国東町は人口流出がとまらなかったほど寂れていた。
 衰退していた原因は、主産業が農林水産業と土建業に大きく依存し、戦後の経済社会構造がなんにも変わらなかったということに尽きる。新しい産業の誘致、育成に失敗したことが全てを物語る。地域起こしにはよくある話だ。

 さて、国東市のことはおいといて、全国の街づくりについてだ。46万を超える町丁目にも、そこで暮らしたい住民、そしてそこで生産と営業をしたい工業や商業施設はそれぞれ各自が工夫をこらしながら努力している。それは死活問題であり、暮らしであり、人生だからだ。
 先日、ある「身の回り用品」を販売する会社の、全国営業店舗のありようを地図で見た。すると強烈な結論が導きだせてくる。それは、価格が数千円〜数万円するような商品がうれる地域は、おのずから制約があり、あの町は売れるがこの町は売れないという「町の雰囲気」「町の個性」というものがあることに気づかされた。
 売れる町には、どうしてかうまく説明つかないものの、なんとなく「だよね」という理由が感じられ、売れない町にはその理由がある。失礼ながら、よく聞くたとえ話として、足立区と大田区田園調布とかのような。あなたの町にも、そうした落差の響きを持つ事例はあったでしょう。
 私がかつて住んでいた長野県松本市でも、それは確認できた。商業地域、住宅地域、準工業地域などの特徴はうまく数量化されていた。そして、その数字と、営業所の利益はピッタシなのだ。つまり、もうかる地域には理由があり、儲からない地域には、やはり理由があるということだった。
 そうそう、松本市横田町のあそこにはコンビニがあって、喫茶店があって、書店も・・・。それは立地したいという経営者の意欲の集積や結果でなく、そこに住まう住民の生活ぶりの反映であった。その町に暮らす人々の生活水準や民度ともいわれる生活投影度そのものであった。

 もしも誰かがどこかに経営的に進出(立地)したいと思ったなら、まず過去の立地条件とその後の経営ぶりを重ねあわせてみよう。先の「身の回り品」会社では、とてつもなく儲かっている営業所、平均的な営業所、逆にうまくいっていない営業所などに区分されたが、それらは全て地図情報とぴたり一致していた。いくら商売は気力だといっても、この法則には誰も太刀打ちできない。

 もうかる場所は決まっていて、そこに進出した店だけが収益を上げられる。それはどこか、私たちは日本地図から、結論をはじき出しました。成功する一般確率は98パーセントです。





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