ある期間をおいて、ユーザーの意見をマイニング比較してみた。アンケートを実施し対策をこうじてみた前後で、どんな効果がどれだけ出ているか確認してみたい。
人数はおよそ400名くらいずつ。同一回答者も数人いたかもしれないが、氏名は書いてもらっていない。テーマは「この商品をまた買いたいと思うか」。そして、その理由を自由表現で文章にしていくというものだった。
先に実施したA群から遅れること数か月のち、B群の書き込みが終わったところで両方のすべての意見をまとめて統計学的テキストマイニングにかけた。意見を主成分分析で処理すると、40個の成分が採取された。それらはたとえば「作りが丁寧で、やさしい気持ちが伝わってくる」「「とてもおいしくて口に入れるととろけるよう」などのホメ言葉もあり、また、中には「パックが開けにくい」「値段の割に量が少ない」といった厳しい意見も含まれていた。
得られた意見の成分ごとに何人がそう表現したか、発言人数をカウントした。再び買いたいかという尺度(定量設問)も用意されていたので、40個の成分たちがどのくらい「再購入」の意識に結びつくような反応をしたか、重回帰にかけてみた。回帰量の大きさは再購入の強さとみられる。
成分ごとに何人が書き込んだかの人数と、その意見をいう人たちの再購入意識との乗数(積)を求めると、発言の大きさはその商品のもつ魅力の集積とみられる。
それぞれの成分について、アンケート実施を先にやったA群とB群とで乗数の比較をしてみた。すると、再度買いたいという上位グループの成分には、あきらかに社員たちが提案した意見が並んでいた。彼らが「こう改善しよう」という意見に消費者が良好反応を示してくれていた。反対に「もう買いたくない」との拒否反応は見違えるほどに意見が少なくなっていた。
時期を少しずらしてアンケートを実施することで、どんな意見がどれだけ出てくるかから、効果のほどが目に見えて数字や図で表現してくれる。読んで「わかった」という主観的なものでない。主成分に意見を分解し、その発言人数でベクトルの大きさを測定し、その成分が「また買いたい」との反応にどのくらいつよく寄せられているか回帰量で分析できる。客観的な指標になる。そしてアンケートの実施前後で消費者の態度がどのくらい変化したか、グラフで比較できる。
メーカーだけでなく、学校などのサービス、流通などでもこの調査法はおこなわれ、本当に「見える化」が実行できている。あなたもまったく新しい、統計学のできるテキストマイニングを使ってみませんか。
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