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2016.07.14 「AIによる文章解読」

 近年、人工知能(AI)が急速に進化しています。チェスや囲碁などのゲームでは、AIのほうが人間の世界一といわれる強者に勝ってしまいました。これまではロボットやAIは指示されたり教えられたりしたことを、多数の記憶と処理の速さで人間の仕事を助け補佐して来ました。しかし、ついに開発した人間の能力を超えるまでになったのです。それが今日では、AIみずからが問題の解決方法を考えだし、教わった方法でない新しい発見を次々に、人間が気づかなかった新案で処理解決しようとしています。

 そんな中で、私たちはコンピュータを使って、人々の書いた文章を読み解き、どんな意味が書かれているか短時間に結論づける手法を発明しました。それも単語が何個使われたとのカウントや単語同士の語順をつなげるだけの単純なものでなく、大勢の人々が書いた主張や論述を、その意味内容により6語以内で要約してくれます。

 解決方法は極めて統計学であり、コンピュータを使ったロジックです。まず文章を独立語単位で単語群を切り出します。次に、それを意味によって主成分分析(Principal Component Analysis)にかけます。数十個の成分が抽出され、用いられた単語を3〜6個までを使って並べていくと、なんとそこには人間によくわかる文(自然文:センテンス)が描かれています。

 購入した商品について使用した感想、改善策の提案、食品を食べたり飲んだりした感覚、政治や経済や社会に対する意見や希望など利用できる範囲はとても広く、活用される機会が増えてきました。東京近郊のテーマパークでは来場者へのご意見を書いてもらい、それを分析しています。家電品製造、自動車製造、食品製造販売、化粧品製造販売をする会社など、いろいろな方面で既に活躍しています。

 ある進学塾では、教師採用のときに面接前に試験に使用しています。西部の荒れた岩場の崖にたつアメリカ原住民のスケッチ図をみて、その人物がこれから何をしようとしているのか「物語」を書いてもらいます。記述した各志願者たちの文章から、性格はもちろん、価値観や意識の方向性がはっきりと手掴みできます。

 真面目さ、几帳面さ、ずるさ、諦めやすさ、芸術家タイプ、情に厚く優しい人など14方面の価値観と行動意識が個人別に数量化されます。既に社員として採用されている人々と比較すると、この応募者は「採用」しようかどうしようか。また、今後どうやって教育指導し成長させていけばいいか、よくわかります。

 一枚の図を応募者または被験者(subject)に見せて自由に感想やイメージを書いてもらう検査方法を主題連想法(Thematic Apperception Test)といいます。強制されないのに、それでも本人の内面にある世界観が文章として描かれるのです。希望や夢、おぼろげな心配事、今のめりこんでいる関心事、それらが本人の筆致能力によって評価されます。評価するのはAIです。「あなたは○○○ですか」「あなたは×××ですか」といった定量調査は、敏感な人にはすぐに検査の意図が見抜かれ、どうとでも返答できます。なかには、偽りの自分像を作り上げる猛者もいます。試験の対策本「こうすれば受かる」が多数作られた心理検査があるようでは、それはもう検査ではありません。

 どうして人間がいだく内面世界の評価を、あえてAIにさせるのでしょうか。それは多数の文章を複数人で読んでいくと、評価軸が人それぞれ違うことがわかります。つまり信頼性に疑問がでるからです。評価にぶれがあって、読み続けていくとだんだんと機軸がゆれていくのに気づきます。だから常に一定の評価軸をもつAIに任せるのです。しかも数万人の文章でも、数分で結果が得られます。早くて安定しています。

 小論文の判定は、これは大変です。まず、事前にコレとコレはアアしようという決め事が必要で、参加者全員が意識と知識を共有しなくてはなりません。評価点については、例えば「走れメロス」についての感想文では、友情・信用・苦労・約束…などの有無、使用法でカウントされ、何個あったから何点とされています。それでは単語の語数調査でしかありません。

 AI文章解読を使うと、単語の用いかたはもちろん、綴る文章から人柄が測定されます。書いた人の性格や価値観、意識、考え方が数量でえがかれます。我慢強さ、耐性、友人との共感性など、人が生活していくうえで大事な要素が14方面で提示されます。

 人材の採用や大学・高校などの入試には、慎重である必要があります。それには定量調査(「あなたは〇〇傾向がありますか」といった目録式の設問)もつけるとよいでしょう。心理学的特性を数十個提示し、どんな反応があるか調べる方法です。そこから得られた定量の分析結果と、AIによって採取されたパーソナリティー結果はとても親和性が高く、両者よく似たものになります。ただし、定量調査は少しカンのよい受験生には筒抜けになり、何を調査しているのかバレテしまい、合格できるように演技される危険性があります。

 だからこそ、安定した信頼性のAIこそが文章解読になくてはならない技術となったのです。





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