2006年1月からの日経平均の推移と予測、その予測誤差のグラフを公開しています。 観測日数は80日になりました。この間の予測誤差は絶対値で56円。わが研究所が予測した日経平均の株価にたいして、およそ60円のズレにとどまるような精度の高さになりました。100円を超えて外れたのは10回ほど。まずまずの正確さが得られました。 G7以降の急激な円高、日銀の金融緩和政策の見直しと金利の高騰、ライブドアー事件による新興市場の低迷、そして個人投資家ばなれなど、この5ヶ月の間には株価に影響を与えた出来事はいくつかありました。 それらの噂が飛び交うときに、しばらく株価は動揺します。その影響は、いま挙げただけでも数回になります。でも、そうした市場環境の変動はいったん織り込んでしまわれると、次からは落ち着いていき予測値は正確さを取り戻します。 問題は、突発的な事件の可能性と、もうひとつ、今日の予測変数の行方の読み方です。銘柄にしろ日経平均にしろ、株価予測をおこなう変数(ここが重要)は、十数個。それらパラメターの種類と関数の設計は公開できませんが、そのなかの1個は、今日の出来しだいな要素が入ります。そのため、どうしても1個の不確実性に左右されてしまいますが、仕方ありません。未来は神のみぞ知るのですから。 事実となった確実な大多数のパラメターと、これから明けてみないと分からない不確実なパラメター(1個)とで作られた関数ですから、やはり今日の株価予測ということは、まだ科学の水準と言い切るには至っていません。現在は、その不確実性の部分を追及していて、やっと1個にまで絞り込めたことは着実な進歩といえます。もう少しです。原油価格についてはWTIが米国での指標になっていますが、全世界の原油流通量の3%しかなく、いまや投機的になっています。日本ではドバイ原油ですが、これがWTIの影響を受けるような受けないような、ビミョーな要素です。こうした要素が何をもってリジッド化(対反応)できるかです。日経平均はグローバルな物差しですから。 この80日間の観測と予測からわかったことは、実際の日経平均と私たちの出す予測値とは相関係数でr=0.97 〜 r=0.98、その2乗をもって妥当性とするのなら、今はr2=0.95にまで達しました。ほとんど「当てている」水準です。 突発的な事件、たとえば中東など世界各地でおこる政治的マター、あるいは地政学的なリスクはどうしても避けられません。そのほかに数個の不確実性要素を含むので、今日これから起こることを100パーセント言い当てることは、やはり至難のワザです。ですが私たちは、もう少しのところまできた充実感を、今ひしひしと感じています。経済的な要因はほぼ織り込めましたが、あとは地政学的要因との関連性が目下の関心です。
◎追記 ICAS HP 「日経株価予測」
◎追記2 ICAS HP 「翌日のダウ平均を予測する」 2008.7.1
http://corepon.com/publishing/mt-tb.cgi/26
|